介護とは客商売ではない

 「当たり前でしょ?」

 このように感じた貴方は正常だと思います。


 しかし、実際に介護現場では客商売として指導されている施設も存在するんです。


【有料老人ホーム】

 イメージしやすい施設としては有料老人ホームかと思います。

【高い入居金】+【毎月の支払】+【何か行動を起こす度】

に料金が発生します。


 その態様上、他の介護施設よりは利用者も、その家族も

「高いお金が発生しているから」

とお客様として扱ってもらうことを要求する傾向にあります。




【特別養護老人ホーム】

 特別養護老人ホーム(以下特養)は介護度が高い利用者を専門的に受け入れている介護施設で、入所すると終身の場となるので安い利用料となります。


 そのため、ほぼ有料老人ホームとは対極にあると言えるかもしれません。


 この特養は家族が限界になって保護・入所させることも多く、お客様として接することを要求する利用者・家族は少ないです。


 しかし、その弊害でしょうか。

 度々職員の言葉遣いが悪いことが問題になります。


 耳にする虐待問題の多くも、この特養ですね。


 そこで責任者はこのように指導することがあるんです。

「職員は利用者のお蔭で給料がもらえているんだからお客様として接しろ。



 これは福祉にはあってはならない指導です。

 一個前の記事でも書きましたが福祉(介護)とは何でしたか?

 自立支援を援助するです。


 お客様として接すると言うことは、要は甘やかしです


【本当は一人で立てるのに介助を要求】

【食堂に出て、一人で食事ができるのに居室に運ばせる】

【独立歩行が可能なのに車椅子移動を要求する】


 これらを介護職員が全部介助するようなことです。

 こんな甘やかしだけで自立支援が実現できると思いますか?


 実際にそのようなお客様として接する介護施設に預けたがために何も出来なくなってしまった弊害は一時期ニュースにもなっていました。



【適切な声掛け】

 放置すると荒れた声掛けになる、お客様として丁寧な声掛けもダメ。


 このことから

「じゃあ、どうしろって言うんだ!?」

と怒る人がいます。


 簡単です。

 その利用者個人個人が不快じゃない程度の丁寧さでの声掛けをすれば良いんです。


 介護の基本は、利用者一人一人に合ったケアです。

 その基本原則を見失い、画一的になんでも決め付けて、楽をしようとするからこんなことすら見失うんです。



【統計的に見た適切な声掛けの程度】

 ~する?

 ~しますか?

 ~しましょうか?

 ~いたしますか?

 ~いたしましょうか?

 ~させていただけますか?

 ~させていただけますでしょうか?

~~~以下省略~~~


 このように段階的に丁寧にしていく中で、実際に多くの高齢者が「一番良い」と答えたのは②と③の程度だそうです。


軽すぎても、丁寧過ぎても不快だそうです。




次の記事では、介護と看護(医療)がごちゃ混ぜになっている部分について掲載します。


【看護師 > 介護士】

こんな施設は介護を適切には出来ません。



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>>次の記事 介護は医療ではありません。





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